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アディオススペイン アディオス、ヘミングウェイ (ランダムハウス講談社文庫 ハ 4-1)

キューバミステリー界のベテラン作家パドゥーラの日本初紹介作。文豪ヘミングウェイが暮らしたハバナの邸宅「フィンカ・ビヒア」の土地から40年前に殺されたと推定される白骨死体が発見されて幕が開きます。作家を目指す元刑事コンデは古本を売って暮らす毎日で、幼い頃に港でヘミングウェイを見た記憶から文豪に思い入れがあって、事件の捜査にのめり込んで行きます。最大の疑問は、果して事件の犯人はヘミングウェイ氏なのか?という点でした。最初は五里霧中で雲をつかむ様な状態でしたが、やがて遺体の傍らに見つかったFBIのバッジがきっかけとなり、コンデの閃きを呼び覚まして、彼を文豪の元使用人達へと、事件の真相へと導きます。章毎に晩年のヘミングウェイの視点で語られる興味深い物語が挿入されて、事件だけでなく彼の人間性を窺い知るさまざまなエピソードが楽しめます。その挿話の中で傑作なのは、女優エヴァ・ガードナーの黒いパンティで、中年男達のエロテックな夢想を激しく掻き立てます。本書は虚実ないまぜになった文豪の実像に迫ろうとする、あったかも知れない出来事を描く企てです。著者の鋭い洞察力によって人間ヘミングウェイを身近な存在に感じさせてくれる非常に好感の持てる読み物だと思います。探偵役コンデや仲間であるキューバの人々との友情が生き生きと描かれているのも魅力的で、とても暖かくて爽快な読後感を味わえました。 アディオス、ヘミングウェイ (ランダムハウス講談社文庫 ハ 4-1) 関連情報




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